
化学の力
KHネオケムは、『「化学の力」で、よりよい明日を実現する。』を企業使命とするファインケミカルメーカーです。長い歴史の中で培われた「確かな技術」によって、地球環境に優しく、人々の生活に欠かせない高機能な化学素材を産み出し、世界中に安定供給することで、着実に成長を続けています。
代表取締役社長
株主・投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
当社グループは、事業を通じて持続可能な社会に貢献し、それと同時に私たち自身も企業価値を高めていく「サステナブル経営」を推進しています。
2025年上期における連結業績は、売上高588億円(前年同期比5%増)、営業利益60億円(同25%増)、親会社株主に帰属する中間純利益39億円(同19%増)となりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、エアコン市場は新興国の成長等を受けて堅調に推移し、半導体市場ではAI関連を中心に先端半導体の需要拡大が続きました。一方、国内自動車市場は回復基調にあるものの、国内住宅着工件数は前年割れが続きました。
このような事業環境下、機能性材料では増強設備を活かした冷凍機油原料の増販と、化粧品原料の高品質グレードが堅調に推移したことが寄与し、前年同期比で大幅増益となりました。電子材料は先端半導体向け需要を捉えることにより、安定収益を確保しました。基礎化学品は国際市況の下落が収益を圧迫したものの、大規模定期修繕の影響がなかったこと等により、前年同期比で微増益となりました。
また、当社グループは、2025年2月に第5次中期経営計画「新たな成長ステージへ」を公表しました。長期ビジョン「VISION 2030」の実現に向け、これまでの投資を成果に結びつけるフェーズに入っています。これまで、四日市工場と千葉工場では主力の冷凍機油原料の設備増強を行ってきましたが、この設備を活用し、中長期的な市場の成長を確実に取り込んでいきます。新規事業についても、バイオ医薬品原料向けの糖鎖や海洋生分解性樹脂PHB(ポリヒドロキシ酪酸)など社会課題解決に貢献するテーマの事業化を積極的に推進するほか、価値創造の源泉である製造設備や人財など、経営基盤の強化にも一層注力していきます。加えて、さらなる株主還元の強化の方針も打ち出しました。配当性向を30%から40%へ引き上げ、DOE4%を新たに導入したほか、機動的な自己株式取得も掲げ、2025年2月から9月にかけ上限50億円の自己株式取得を実施するとともに、2025年度の配当金については1株当たり15円の増配(年間105円)を計画しています。
引き続き、サステナブル経営を通じ、特長ある化学素材で持続的な社会の実現と、企業価値の向上に取り組んでまいります。株主・投資家の皆様には、今後もより一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。
2025年9月
代表取締役社長
髙橋 理夫