海洋プラスチックごみ問題
海洋プラスチックごみ問題とは、人間の活動によって排出されたプラスチックごみが海に流出してしまい、環境や生態系に影響を与えてしまう問題を指します。自然環境下に排出されたプラスチックごみは、風雨や河川によって最終的に海まで運ばれ、これらのゴミは海浜に漂着する、海上に浮遊する、海底に堆積するなど様々な場所に散在しています。海洋に流出したプラスチックごみは、自然に分解することがないため増加し続けています。
また、特に微小なサイズのプラスチックごみが引き起こす問題をマイクロプラスチックごみ問題と呼び、海洋生物に摂取されてしまうなどの問題が懸念されています。マイクロプラスチックごみの発生原因として、日々の洗濯によって衣服から流出する合成繊維の破片や、化粧品や洗顔剤などに含まれる微粒子プラスチックが流出すること、また、元々大きな海洋プラスチックごみが波や紫外線などの物理的影響によって微小な破片になることが考えられています。
海洋プラスチックごみ問題の解決には、まずは3R(Reduce Reuse Recycle)によるごみの徹底管理が重要となります。しかしながら、マイクロプラスチックを含む全てのごみを管理するのは困難であり、自然環境への流出リスクをゼロにすることはできません。そこで、海洋中に流出したとしても、ごみとして残留せず、環境への影響が少ない代替素材が求められています。
当社のソリューション技術
当社の開発品である海洋生分解ポリマーは、海洋中に存在する微生物により二酸化炭素と水に分解される特徴があります。従って、海洋に流出してもプラスチックごみとして海に残留しません。また当社の海洋生分解ポリマーは、原料として植物由来の天然物質を使用しているため、気候変動へのリスクが少ないことが示されています。
当社の海洋生分解ポリマーは、海洋分解性の特徴だけでなく、実際の使用性にも優れています。熱可塑性の樹脂であり加工のしやすさが見込めることから、自然環境で使用するフィルムや化粧品中に配合される微粒子等の様々な形状に加工してご使用することが期待されます。