サステナビリティ

カーボンニュートラルに向けた取組み

GHG排出量

当社は、「サステナブル経営」を推進するためにステークホルダーの皆様へ「7つの約束」を宣言しております。その内の1つである「環境への負荷低減を意識した事業活動を行うこと」の具体的な取組みとして、当社におけるGHG排出量の削減を経営目標に設定するとともに、製品のライフサイクルにおいて環境負荷の低減に貢献しています。

2050年までにカーボンニュートラルを目指すとともに、そのマイルストーンとして2030年におけるGHG排出量を2017年度比30%削減(Scope1,2)するという目標を設定しています。この削減目標に対しプラント高度制御システム導入による効率的な運転の実現や高効率なLNG発電機を導入するなど、様々な施策を講じたことで2023年度においては、2017年度比で約20%の削減を達成しています。

また、製品のライフサイクルにおける削減貢献として、環境に優しい冷媒に用いられる冷凍機油原料を供給することで、世界中のエアコンにおけるGHG排出量の削減に大きく貢献しています。

※TCFD提言に伴う情報開示は、こちらをご覧ください。

GHG排出量(Scope1、Scope2)の推移(当社単体)

単位:千t-CO2

年度 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
Scope1 390.6 383.6 372.6 321.5 360.7 327.8 328.1
Scope2 83.0 65.4 67.6 82.6 61.7 51.2 50.3
合計 473.6 448.9 440.2 404.2 422.4 379.1 378.4

※1 省エネ法に基づく報告数値

※2 政府へのGHG排出量報告窓口に確認の上、2021年度から、当社の製造工程において発生したCO2を回収し、製品の原料として利用した分をGHG排出量から控除

※3 小数点第2位以下四捨五入

GHG排出量(Scope1、Scope2)の推移についての棒グラフ化したもの

GHG排出量(Scope3)の内訳(2023年度、当社単体)

カテゴリ カテゴリ名 排出量 [千t-CO2] 割合
カテゴリ1 購入した製品・サービス 853 78.8%
カテゴリ2 資本財 34 3.1%
カテゴリ3 Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 60 5.5%
カテゴリ4 輸送、配送(上流) 43 4.0%
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 2 0.1%
カテゴリ6 出張 <1 0.0%
カテゴリ7 雇用者の通勤 <1 0.0%
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 92 8.5%
合計 1,084 100%

※1 集計期間は2023年1月~12月(カテゴリ3,5は2023年4月~2024年3月)

※2 小数点以下四捨五入

冷凍機油原料の供給を通じたGHG排出量削減貢献

当社は、環境に配慮したエアコンに用いられる冷凍機油の原料を製造しています。エアコンの冷媒にはさまざまな種類のガスが使用されており、冷媒の種類によって必要とされる冷凍機油の種類も変わります。これら冷媒に用いられる代替フロンに起因する世界のGHG排出量は、CO2換算で年間約10億tであり、その90%以上が、エアコンによるものだといわれています。そのため、環境に優しい冷媒への移行が世界的に進んでおり、それに適応した冷凍機油の製造には、当社の冷凍機油原料が必要不可欠なものとなっています。

世界の代替フロンなどの年間GHG排出量(CO2換算)

世界の代替フロンなどの年間GHG排出量(CO<sub>2</sub>換算)

出所:Trends in Global CO2 and Total Greenhouse Gas Emissions; 2020 Report PBL Netherlands Environmental Assessment Agencyをもとに当社作成

また、近年、急速に普及が進んでいる電気自動車(EV)に搭載されるカーエアコンは、ガソリン車と異なり、家庭用エアコンと同じシステムが採用されるため、当社の冷凍機油原料が使用されています。

これら冷凍機油原料の分野におけるトップサプライヤーとして製品の供給を通じて世界中のGHG排出量の削減に貢献しています。

GHG排出量削減に向けた取組み

プラントの高度制御システムを導入

化学プラントには多くの配管が張り巡らされており、原料や製品の流量を常に微調整しながらプラントを安全に運転しています。「高度制御システム」は、AI技術等を駆使して温度や圧力など様々な条件を考慮した、適切な条件を自動的に推定し、調整する最新鋭のシステムです。このシステムを導入したことで、製造ロスを最小限に抑えることができ、省エネ運転を実現することができました。

引き続き、導入プラントを増やし、更なる省エネを進めることでCO2の削減を推進していきます。

原料としてCO2を使用

当社のコア技術であるオキソ反応(ヒドロホルミル化反応)は、各種オレフィンなどの原料と一酸化炭素(CO)と水素(H2)を反応させ、アルデヒドを合成する反応です。このCOとH2の製造工程でCO2を原料として使用しており、CO2の有効的な利用方法として実際に工業化されている反応のひとつです。他社で発生したCO2を回収して原料とするほか、自社で発生したCO2も一部回収しており、製造プロセスにおいて発生するCO2の削減にも貢献しています。